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ギチケンが腰を抜かしている間に、天狗はせせら笑いながら近付いてきた。
「 へっへっへ。ちがうちがう。天狗じゃねーよオイラは!ぐへへへ。」
この男、自分は天狗ではないと言うではないか。
ギチケン「い、一体どなたなんでしょう。そしてここで何をしているんですか?」
頭の悪そうな口調の相手だったので、急に冷静を取り戻したギチケン。
天狗男「うーん。まいったなぁ。これテレビかなんか?取材?」
これはまずい。経験上、1度でも相手が不信感を抱いてしまったら2度と取材はできないと思ったほうがいいからだ。
このままでは取材拒否されてしまう。
焦ったギチケンはカバンの中から肉塊を取り出し、天狗男にちらっと見せた。起死回生の大きな賭けにでたわけだ。
すると天狗男は何も言わず、肉塊をおもむろに私からとりあげた。
そして胡坐で座り込み、流暢に語りだした。よし、交渉成立だ!
天狗男「山籠もりとでも言ったらいいかな。もう何年も俗世とは距離を置いていてね・・・。いっそこのまま天狗にでもなれたらいいなぁ。ぐわらぐわら!!ぐがはははあ!!」
うわーなんとも汚い声質でしゃべる人だなぁ。そう思いながらも必死に聞き取ろうと耳を傾けるギチケン。
ギチケン「山に籠るきっかけはあったのでしょうか・・?」
すると天狗男はしばらく無言で回顧。数秒後、コーヒーで口を潤わせながら語ってくれた。
天狗男「じつはさ、数年前に株の投機戦で敗北しちゃってね。そうそう。無一文。それですべて嫌になったのよ。あの頃はその界隈じゃあ、名うての投機筋だったんだけどね。XXXX仕手グループって知らないかな?今の子らは知らないのも無理ないか。すべてを失ってからは周囲は手のひら返し。うん。そんな生活がしばらく続いてさ。だから俗世とは距離を置くことにしたんだよ。グフフ。」
ここでギチケンがさらに親睦を深めようと家から持参した非常用の乾パンを差し出した。
登山に非常食の備えあれば憂いなし。出発前にカバンに入れておいてよかったとこの時に思った。
しかしここで衝撃の事実に気付くギチケン!
なんとその乾パンの賞味期限は2年前に切れていたのだ。
急いでその旨を告げ謝罪するギチケン。
すると、彼はニヤっと笑いながら得意げに
「へへ、大丈夫だぁ。見ててけろ。」と言う。
氏いわく、山籠もりしてから数ケ月経った頃に特殊な呼吸法を身に付けたという。
なんでもその呼吸法を行えばたちまち不調が治るのだそうだ(ただし、この呼吸法は体への負担が大きくやり過ぎるとかえって蕁麻疹を発症するというから乱発はできない)。
もくじ
初公開!天狗男の私生活
ここで天狗男になるべく日ごろの生活ぶりが知りたいと伝え、偽りなく再現してもらうことにした。
ここで氏が突然周囲を気にして見渡しながら
「実はね、オレすごい国家秘密を握っているのよ。これを公表したらあの連中が困るだろうなぁ。まぁ言わないけどね。墓場まで持っていくつもり。」
すっかり我々と打ち解けて明るく振る舞う天狗男。しかし時折、物憂げな遠い目をしているのを編集部は見逃さなかった。それを率直に氏に告げると、「下界に未練がないと言ったら嘘になる。何度も下山しようと考えた。しかしそんな軟弱な自分を戒めるために、月明かりで己の片眉を剃り落としたんだ」っと笑う。
時間の都合上、鍛錬披露を打ち切らせてもらい、最後に今後の抱負を訪ねてみた。
エピローグ ダースーと合流。そして登頂
天狗男と別れてからダースーを探しながら10分ほど歩いたところで、
なぜか片眉に絆創膏を貼った姿のダースーと合流を果たすことができた。まったくどこに行っていたんだか。
目的は果たしたが、なんだか気分がいいし天気も快晴だ。そのまま高尾山の頂上を目指すことにした。
そして山頂のビアガーデンで天狗騒動の解明が無事にできたことを祝して乾杯をした。しばらくして遅れてきた編集長も合流してみんなで愉しみました。
そういえば、今回の読者からのハガキの筆跡。
あれはどことなく裏万家満室編集長の筆跡と酷似していた。しかし愉しいビアガーデンの場だ。そんな野暮な詮索などやめておこう。
読者特典
ダイジェスト集





































