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ある日、編集長に聞いてみた。
いい大人になるための条件
そしたら
「人を訪ねる際にちょっとした菓子折りなどの手土産をイヤミなく持参できるようになることだ」
「値札の数字が重要ではないので背伸びしすぎないように。ただし白洲次郎のように手土産を嫌う人も中にはいるから気を付けろ」
と教えられた。
大人の世界って難しい。
ようは見返りを求める手土産はきっと白い目で見られてしまうのだろう。
「大人になったら手土産を片手にぶら下げて大事なあの人を訪ねよう」
そんなコーナーですこれは。
もくじ
今回は吉祥寺エリアで探します
さて、吉祥寺が住みたい街という謎ランキングの上位をウロウロしてもうどれくらい経つのだろうか。
特定の年齢層の人とは「前田太尊の街でしょう」って盛り上がれるのだけれどもそのうちこの話も通じなくなるだろう。吉祥寺の街並みを俯瞰すると全体は変わらないようだが、中身が変わってきている。どこの繁華街でも同じだが、魅力的な個人オーナー店が大型チェーン店に入れ替わってきているのだ。さて、ギチギチマガジン読者のみんなは大事な人へのお土産をチェーン店で買うわけにはいかない。なのでギチギチマガジンがおススメするここでしか買えない手土産を紹介する。
選定条件
- 行列に並ぶなんて野暮な事したくない(どこの町にも行列店は必ずあってもちろん吉祥寺にもいくつかある。それの紹介は避けている。検索すれば出てくるので探してくれ)。
- 1つでもストーリ性があり渡すときに小話を添える。そんな大人の土産。
手作りにこだわる無添加の煎餅
吉祥寺駅南口を降りて右手に進むと辿り着く
昭和33年開業の「花見せんべい」。
看板ロゴの字体だけで興味をそそられるが
「手作り」ってのが何より心をくすぐる。
添加物が入っていないので、食べても唇がピリピリしない。
で、ここで是非とも購入したいのは
井の頭の「井」の形をした「井の頭煎餅」だ
普通の煎餅よりもありがたみを感じてくれそうな親戚のお婆さんとかにきっと喜ばれるだろう。
少し値の張る化粧箱詰め合わせを手土産に選ぶのもいいけれど、レジ横に無造作に置いてあるこの煎餅を無造作に買ってさっと店に出るのもオツでよい。
他にも以下の煎餅なんておススメだ。
興味をそそる満月形と醤油色だ。
安政2年創業の老舗和菓子「俵屋」とお茶の水
かつて徳川家康が鷹狩りにこの地を訪れた際に、ここ井の頭の湧水でお茶を淹れたという謂れがある(ここ三鷹市の市名の由来がこの鷹狩りにある)。
それが井の頭公園の池の水を今でも満たしており
「JRお茶の水駅」のそばを流れている神田上水の源流だ。
水が湧いている箇所は公園内にあり柵はあるが自由に見学できる(現在は湧水現象のため地下水をくみあげている)。
なぜこのエリアを紹介したかというと次の手土産に関連があるからだ。
次のお店はここ
俵屋
創業が安政二年!
え、それって何年前?
歴史の授業で習う「安政の大獄」が安政5年だ。
それ以前の創業となる。
井伊直弼もあの世で大いに驚いていることだろう。
そんな老舗でぜひとも大事な人とのお茶請けにおススメなのがその名も
お茶の水
名前から分かる通り、さきほど紹介した井の頭公園内のあの場所をモチーフとしている抹茶の和菓子だ。
中に餡が詰まっていて熱いお茶によく合う。
洋菓子も大好きなのだけれども、店に入って思わず背筋を伸ばされてしまう緊張感は老舗和菓子店だけのものである。
さらにここには併せて買いたい商品がある。
その名も
御召列車
皇室を感じるネーミングだけで即購入案件だ。発見した瞬間に店員に喰らい付いて由来を根掘り葉掘り問うたのは言うまでもない。喰らい付きが激しいからなのか、由来が書かれた紙を笑顔で手渡してくれたことに感謝する。
番外編:少し寄り道して蕎麦を食べよう
公園内を散策して小腹が減ったのなら蕎麦を食べよう。
手打ちそば上杉
吉祥寺でおいしい蕎麦を食べるなら上杉。
蕎麦は手打ちじゃないと愉しめない。完全禁煙なのも嬉しい。静かな店内でズルズルと豪快に音を立てて蕎麦を嗜みたい。さきほどの和菓子屋「俵屋」の通りにあるので行きやすい。
家出少年がいつしか極上のどら焼き職人へ
次に紹介するのは井の頭公園から少し離れている場所にある和菓子屋「末廣屋喜一郎」。
創業は昭和14年高田馬場で開業で昭和31年にここ井の頭の地に移転してきたという。
現在の店主の親父さんはとても気さく。
なにせ高校時代から今に至るまでの自分史を我々にみっちり聞かせてくれた。
当時和菓子屋の家業を継ぐか否かで迷い、ついには家出をして山に籠ったとか。
語っている時の親父さんの顔はまさに青春時代にタイムスリップ&トリップしていた。
この店は「井の頭どら焼き」が素晴らしい。
美味しさの秘訣はやはり手焼きだ。北海道産の大豆を使用した通常版と丹波の大納言を使用した極上版の2種類が存在する。
将来への進路を山籠もりで悟り、迷いが消えた青年時代の店主の覚悟がどら焼きから感じとれるかもしれない。
通常版(180円)でも充分美味だし、たまには極上版(250円)を買ってもよいだろう。
そしてここには「すあま」が売っている
君は「すあま」って知っているかい?こうゆう「かまぼこ」のような形をしていて、食感がクチャクチャして歯にネットリまとわりつく。たまらない味だ。
文豪も愛した看板のない洋菓子店
なんかこれまで和菓子に偏った紹介をしてきたけれど、洋菓子も紹介したい。
吉祥寺から京王井の頭線で2駅行った「三鷹台駅」で降りる。
駅前は何もないのでさっさと歩こう。3分ほど歩くと素通りして見落としてしまいそうな洋菓子店がある。
店の名前は「ローラン」
なぜ見落とすかっていうとこの店は外に看板も何も出していないからだ。一見すると増殖したツルの伐採をサボっているただの民家だ。
しかしガラス越しに注意深く中を覗くと、そこにはショーケースに美味しそうなケーキが並んでいる。
店に入る前までは店主に色々質問しようと準備していたんだけど、ショーケース内を見た瞬間、これも食べたいなあれも食べたいなとケーキに魅了されてしまい、質問する行為を忘れてしまったことをここに断っておく。
ここはどれもどこか懐かしくノスタルジックなケーキが置いてある。
絶品パウンドケーキ
迷うところだが、ここは是非「パウンドケーキ」を注文してほしい。
ゴテゴテ甘すぎないので、飽きることなく完食することだろう。紅茶にとても合うし、一緒に食べる相手との会話が弾む。
パウンドケーキは3種類(プレーン、バナナ、パンプキン)があってプレーン味(1,600円也)はナッツだどかドライフルーツがごっそり入っている。いずれもおすすめだ。
「個人的にはパウンドケーキならここ『ローラン』か『静岡県の川奈ホテル』が首位を争うと思っている」
看板も何も出していないっていうのが洒脱な主人を連想させて、興味をそそる。看板がなくったって味やサービスが良ければ商売はやっていけるのだろう。プロモーション戦略がどうだとか小手先の戦略は完全無視の驚きの戦法だ。
夏の7,8月は休業している。落ち着いた店主の佇まい的にきっとどこの避暑地で遊休しているのだろうと勝手に思っていたが、「自宅でずっと寝ている」とのことだった。
いかがでしたか。
吉祥寺周辺のお土産の紹介でした。
さぁ買うべき手土産は決まった。肝心の渡すお相手がいないよって人は自分自身へ贈ろう!それも立派な手土産だしそもそも美味しい物は一人で隠れてコッソリ食べる方が背徳感があって美味しいものだ。
現場からは以上であります。