【随筆】月の光で走り書き─#1 初秋の愉しみ

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の花。散歩中に素知らぬ家の庭から金木犀がふと香ってきた時に、ここの家主はきっと洒落た人なんであろうなと勝手に想像する。昔は汲み取り便所の周りに悪臭対策として植えてあったそうだ。その名残だろうか、たしかに芳香剤には金木犀の匂いを感じる。先日の台風24号で花弁がたくさん散ってしまったのが残念だ。

の虫。夜になると寒くなるこの時期でも窓を開けて松虫、鈴虫の鳴き声を聞く。平安時代には鈴虫を虫籠に入れて愉しんでいたというからその遺伝的なものなのかなぜか心地よい。藤原正彦氏の国家の品格 (新潮新書)で読んだが、諸外国の方にとっては虫の音はただノイズであり情緒を感じるポイントではないとのことだ。そしてマンション。3階以上のフロアに住むと虫の声など聞こえなさそうだ。いずれ虫の声をノイズという日本人が増えてくるかもしれない。たまには秋の夜長にテレビを消し、虫の声に耳を傾けやう。

の食。栗や薩摩芋、秋刀魚。どれも美味しい。なぜ栗はイガに包まれたうえにさらに固い皮にも包まれているのか。非常に守備力の高い実だ。野生のイノシシとダースーでどちらが早く栗のイガを剥けるのか、山で対決させてみたい。お互い短い前足でイガを器用に剥けるのかを検証するのだ。ヒヅメのあるイノシシの方がやや優勢か!?はたまた栗を頬張りたいと血眼になってイガを剥くダースーの気迫勝ちか?どちらが勝利しようが、対決後は互いを認め合い仲良くなれることは間違いないだろう。